観光スポットとして県外からも訪れる福田農場ですが、この場所はもともと山林に囲まれた丘でした。見晴らしのいい丘を開墾し、みかん狩りが楽しめる農園を始めたことが今の福田農場につながっています。敷地内に工場を作り、自社農園で採れた食材の加工を始めたところ数多くのヒット商品が生まれ、他の農園からも加工依頼が殺到。今ではさまざまな地域の食材を加工し名産品を生み出しています。中でもご当地フルーツを集めた果汁ドリンク「九州果実シロップシリーズ」はネットで話題を集め、福田農場のフードセレクトショップ「スペイン館」でも不動の人気商品になっています。

福田農場の敷地内で一番見晴らしの良い場所にあるのが、地産レストラン「バレンシア館」です。ここでは地元の食材を使ったスペイン料理を堪能することができます。九州３県の島々を一望できる不知火海を地中海に見立てデザインされた建物は異国情緒があふれています。一方でお店の人気メニューのパエリアはブイヤベースの代わりに和出汁を使った純和風の味付けで、スペイン料理に馴染みのない人でも安心して食べられます。サイドメニューの焼き立てのパンやジャム、サラダにかけるドレッシングや果物のスイーツなど、すべて自社製のものばかり。福田農場でしか味わえないオリジナル料理として多くの人に親しまれています。

福田農場では「バレンシア館」のパエリアのミールキット「海鮮パエリア（冷凍品・送料込み）4,800円（税込）」も販売しています。このパエリアはコロナ禍でお店に食べに来ることができない方からの要望を受けて開発に着手。約2年の歳月をかけてお店の味を再現しました。「バレンシア館」に通う常連客の中には、親子2代にわたってパエリアを楽しみに来られる方もいるそうです。子どもから大人に成長し、「水俣を離れた人でも昔から慣れ親しんだパエリアが食べられるように」とミールキットを開発したことで、遠く離れた食卓でもふるさとの味を楽しめます。現在は生産が追いつかず、店舗のオンラインストアでのみ販売しています。