歴代のお殿さまも愛した
新鮮な鮎が楽しめる名所

甲佐町 やな場

2026.05.18
熊本県上益城郡

歴代のお殿さまも愛した

新鮮な鮎が楽しめる名所

美しい自然に囲まれ、「花と緑と鮎の町」として知られる甲佐町。町内を流れる緑川の水路に設けられた「甲佐町 やな場」(以下、やな場)は、採れたての落ち鮎を求め、歴代のお殿さまも足を運んだ歴史と伝統のある名所です。しかし、やな場は熊本地震や豪雨災害、さらには新型コロナウイルスの流行と、幾度もの危機に見舞われ、一時は休止に追い込まれました。存続が危ぶまれる中、地元の有志が立ち上がり再生に向けた取り組みをスタート。再び多くの人が訪れる場所として、かつての賑わいを取り戻しつつあります。390年以上にわたって自然と向き合いながら受け継がれてきたやな場は、今もなお地域の大切な伝統施設であり、住民にとって心の拠り所となっています。
精悍な茅葺き屋根の建物と、その先に広がるすり鉢状のやな場。目の前に広がる開放感あふれる景観は見る人を圧倒します。実は、この風景はスタッフの地道な手仕事によって支えられています。川を下る鮎を獲るために設けられた竹の仕掛け「やな」は、竹林から切り出した400本以上の竹を使い、それぞれの長さを整え、毎年スタッフの手で張り替えられます。春には青々として美しいやなが、やがて季節とともに深い黒へ変色します。その四季の移ろいが、訪れる人に情緒をもたらします。いつ訪れてもおいしい鮎を楽しめるように、スタッフの手によって守られ続けています。
この特別なロケーションで味わう料理は、まさにここにしかない絶品の鮎料理です。伝統的なフルコースをベースに、若い方でも足を運びやすいように価格帯の異なる3つのコースを用意しています。いずれのコースも塩焼きや刺身、南蛮漬け、お吸い物など、清流の恵みを受けた鮎を余すことなく堪能できます。鮎は、非常に繊細な生き物で、季節や天候によって状態が大きく変化します。スタッフは、その日の鮎の状態を見極めながら、丁寧に捌き、もっとも美味しい形で提供しています。9、10月にかけての産卵期を迎えると、一回り大きく成長した鮎は食べ頃の時期を迎えます。この時期になると20センチを超える天然鮎がやなにかかることもあり、身が締まった力強い味を求めて、全国から食通が訪れるほど人気を誇ります。
やな場は、地域にとっても欠かせない存在になっています。緑川河川敷で毎年開催される花火大会では、鮎を焼いて提供するほか、つかみ取り大会など町全体が鮎とともに盛り上がります。自然豊かな景色の中で、川のせせらぎを聞きながらみんなで鮎を食べた記憶は、地元の人にとって故郷の原風景です。夏場になると多くの帰省客で賑わうやな場の光景が、町の風物詩になっています。誰もが甲佐町の魅力を感じられる場所であり続けるために、390年前から受け継がれてきたバトンを、やな場は今夏も新鮮な鮎を提供しながら、次の世代へとつないでいます。

甲佐町 やな場

電話番号 096-234-0125
住所 熊本県上益城郡甲佐町豊内19-1
営業時間 昼営業:11:00〜16:00(Lo 15:00)
夜営業:17:00〜21:00(Lo 19:00)※要予約
定休日 毎週火曜日
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